就労継続支援B型でペット事業への多角化を検討する事業者に向けて、収益構造・作業内容・動物取扱業の許可要件・運営上の注意点を公的情報と実例をもとに整理します。自地域・自法人で成立しそうか判断する材料としてご活用ください。
就労継続支援B型のペット事業における主な収益源は、「訓練等給付費」と「ペット関連事業の売上」です。
訓練等給付費は、利用者の利用実績や事業所の報酬区分、各種加算などに応じて公費から支給される収益を指します。そこに保護犬猫のふれあい施設・トリミング・物販などのペット関連事業収益を組み合わせ、複数の収益源を確保するのが一般的です。
ペット事業では、事業内容によって第一種動物取扱業の登録が必要です。たとえば、顧客の動物を預かるトリミングは「保管」、動物とのふれあいを提供する施設は「展示」、顧客の動物を預かって訓練する場合は「訓練」に該当します。営利目的でこれらを業として行う場合は、事業所・業種ごとの登録が必要です。
軽作業や食品加工などの業態と比べ、ペット事業は「動物と関わる仕事がしたい」という利用者のニーズに応えやすい点が特徴です。特に、動物好きな若年層などへの訴求が期待できます。
継続的に発生する動物の飼育・医療コスト、動物取扱業の登録や動物取扱責任者の配置など、ペット事業ならではの運営上の負担も踏まえたうえで、参入を検討しましょう。
参考までに、ある保護犬猫ふれあい施設が公開している月500~600名の来場想定の売上目安を紹介します。
| 入場料 | 約85万円 |
|---|---|
| 物販 | 10~20万円 |
| トリミング | 30~40万円 |
| 合計 | 125~145万円 |
上記はあくまでも特定事業者が公開している事業モデルの参考値であり、ペット事業全体の平均的な売上ではありません。実際の売上は、施設の稼働率、地域のペット需要、客単価などによって変動します。初期費用も物件の広さなどにより変動幅がある点を留意しておきましょう。
また、上記とは別途、利用者の利用実績や事業所の報酬区分、各種加算などに応じた訓練等給付金が発生します。
厚生労働省が公表している就労継続支援B型事業所(全業態)の全国平均工賃(月額)を見てみましょう。
| 令和4年度 | 17,031円 |
|---|---|
| 令和5年度 | 22,649円 |
| 令和6年度 | 24,141円 |
令和5年度から平均工賃月額の算定方法が変更された影響もあるため、年度間の数値を単純に比較することはできませんが、就労継続支援B型事業所の全国平均工賃(月額)は上昇傾向にあるといえます。ただし、これはペット事業における工賃の目安ではなく、あくまでもB型事業所全体の工賃水準を把握するための参考値です。
ペット事業の工賃を検討する際は、全国平均をそのまま目標額とするのではなく、利用者数や通所日数、生産活動による売上、飼育費・人件費などの経費を踏まえ、継続的に工賃を支払える収益構造を検討しましょう。
利用者が担う作業としては、保護犬猫への給餌・給水、散歩、ブラッシング、ケージの清掃などがあります。動物の状態を確認しながら日常的な世話を行うため、動物が好きという興味を仕事につなげやすい点が特徴です。
動物の世話だけでなく、来場者への接客、首輪などのペット雑貨の製作、店内清掃、トリミングの補助など、さまざまな仕事があります。利用者の得意分野や特性に応じて工程を分担できるため、一人ひとりに合った役割を設定しやすい業態です。
ペット事業でも、他業態(手芸や軽作業など)と同様に作業を細分化することが重要です。「給餌」「清掃」「ブラッシング」「接客」などに工程を分け、利用者の経験や習熟度に応じて担当を決めることで、さまざまな特性を持つ利用者を受け入れやすくなります。
第一種動物取扱業は、事業内容に応じて「販売」「保管」「貸出し」「訓練」「展示」「競りあっせん」「譲受飼養」に区分されます。たとえば、トリミングで動物を預かる場合は「保管」、顧客の動物を預かって訓練する場合は「訓練」、動物とのふれあいを提供する場合は「展示」に該当します。
また、有償で動物を譲り受けて飼養する事業は「譲受飼養」に該当します。実際にどの区分の登録が必要になるかは事業内容によって異なるため、開設前に自治体へ確認することが重要です。
第一種動物取扱業では、事業所ごとに1名以上の常勤・専属の動物取扱責任者を配置する必要があります。
また、事業内容に応じた飼養施設を用意し、動物の健康や安全を確保できる広さ・構造のほか、給水・給餌設備、清掃・洗浄・消毒設備などを整えることが求められます。犬や猫を扱う場合には、従業者数などに関する基準も確認が必要です。
動物を扱う施設では、咬傷や引っかき、動物アレルギーなどのリスクを想定し、利用者の特性に応じて作業範囲や動物との接触方法を定める必要があります。動物の健康管理や施設の清掃、逸走防止なども重要です。第一種動物取扱業のうち販売・貸出し・展示・譲受飼養を行う場合は、動物に関する帳簿を作成し、5年間保存する義務があります。
犬猫を飼養する施設では、鳴き声や臭気、毛の飛散などが近隣とのトラブルにつながる可能性があります。そのため、物件を選ぶ際は周辺の住宅環境や施設用途との相性を確認し、防音・換気・清掃・排気などの対策も検討しましょう。動物を扱える物件かだけでなく、地域住民と共存できる環境かという視点で立地を選ぶことが重要です。
保護犬猫のふれあい施設と就労継続支援B型を組み合わせたフランチャイズの事例では、利用者が犬猫の散歩・給餌・ブラッシング・清掃・首輪製作などを担当。保護から医療、審査、譲渡までのプロセスは本部が担い、加盟店(就労支援事業所)は飼育のみを担当する役割分担になっています。
主に入場料(月500~600名来場で約85万円)、物販(10~20万円)、トリミング(30~40万円)から収益を得るビジネスモデルです。
ペット事業は、「動物と関わる仕事がしたい」という利用者のニーズに応えやすく、他のB型事業所との差別化につながる可能性があります。一方で、動物取扱業の登録や飼養施設の整備、安全・衛生管理など、他業態にはない準備も必要です。参入を検討する際は、自社の地域・人員体制・収益計画で無理なく運営できるかを確認しましょう。
ペット事業としての運営イメージが固まったら、次はFC本部から受けられる支援内容や収益の仕組み、開業までのサポート体制を比較することが重要です。以下の記事では、「誰を救い、どう収益を築くか」という観点でおすすめの就労継続支援B型フランチャイズを整理しているので、比較・検討にお役立てください。
許認可申請から行政対応、採用、物件探しまで一任できるのがフランチャイズの利点です。以下に挙げる3社は、対象とする利用者や作業内容、収益モデルが大きく異なります。
「誰をどう支えるか」「どこで利益を生むか」という視点で整理しました。
犬猫の殺処分ゼロ活動と
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殺処分ゼロを目指す保護活動と、障がい者の自立支援を融合。行き場を失った犬猫たちの新しい家族を探す拠点として、日々のお世話や施設運営を、就労訓練として行います。
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元プロ野球選手・糸井 嘉男さんをアンバサダーに、折れたバットを靴ベラなどに再生する活動を提供。手がけたものが社会に出る喜びを利用者に提供しています。
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※参照元:ANELLA CAFE Instagram(https://www.instagram.com/dogrescue_anella/?utm_source=ig_web_button_share_sheet)(全114店舗での合計フォロワー数)2026年5月25日時点