就労継続支援B型 フランチャイズガイド【ささえみ】

農業のビジネスモデル

目次
全て表示

農業を活用した就労継続支援B型は、利用者の働く場づくりと地域農業の課題解決を両立できる取り組みです。本記事では、事業の特徴や収益構造、利用者の作業内容、安定運営に向けたポイントについて解説します。

農福連携の仕組みと事業の特徴

農業と福祉が協力し合う取り組みは「農福連携」と呼ばれ、就労継続支援B型の新しい形として全国的な広がりを見せています。このビジネスモデルは、障がいを持つ方々に自然と触れ合う働きがいのある場を提供するだけでなく、高齢化や担い手不足に悩む農業分野の課題解決にも寄与する仕組みといえるでしょう。土に触れ、作物を育てる過程を通じて利用者の心身への良い影響が期待されており、福祉的意義が非常に高い事業形態とされています。地域社会に貢献しながら、利用者のやりがいと事業の継続性を両立できる点が大きな特徴です。

農業を事業に取り入れるメリットと参入障壁

事業所に農業を取り入れる大きな利点は、自然環境の中で体を動かすことがストレス軽減やメンタルケアにつながり、結果として通所継続につながるケースがあることです。稼働率の安定は事業所の経営基盤を強固にするため、運営面での恩恵も大きいと考えられます。一方で、農地の確保や農業特有の専門知識が必要となるため、全くの未経験から立ち上げるには一定のハードルが存在する点には留意が必要です。さらに、季節や天候によって作業量が変わる特性を持つことから、閑散期の業務確保や設備投資などの事前準備が求められるビジネスモデルとなっています。

農業型B型事業所の収益性と収益構造

主な収益源(訓練等給付費と農産物売上)

農業を活用したB型事業所における主な収入源は訓練等給付費と生産活動による売上であり、これらをもとに事業運営を行います。利用者が安定して通所しサービスを利用することで給付費を確保し、事業所の維持に必要な経費などに充てる流れとなります。そして、畑で収穫した野菜の販売などで得た生産活動収入については、そこから必要経費を控除した額を工賃として利用者へ支払うことが原則です。そのため、作物の品質を上げて生産活動の売上を伸ばすことが、直接的に利用者のモチベーション向上へ直結する構造といえるでしょう。

工賃向上と事業所の利益確保を両立するポイント

利用者に支払う工賃の向上と事業所自体の利益確保を両立させるためには、戦略的な作物選びと付加価値の創出がカギとなります。例えば、単価の高い有機野菜や、地域で需要があるものの供給が少ない特産品などを栽培することで、販売収益のベースを上げることが可能です。平均工賃月額などの要件を満たすことで、報酬区分や加算に反映される場合があり、事業所全体の収支にも良い影響をもたらす傾向にあります。無計画に栽培を始めるのではなく、販売経路を事前に確保し、売上目標から逆算した計画的な農業経営を行うことが求められます。

農業分野における利用者の作業内容

体力や特性に応じた農作業の切り出し・細分化

農業は体力を要する仕事というイメージを持たれがちですが、作業工程を細分化することで幅広い特性の方に活躍の場を提供できる分野です。力仕事が得意な方には土づくりや収穫などの体を動かす業務を任せる一方で、体力に不安がある方には座ったままでもできる種まきや野菜の袋詰め、シール貼りなどを担当していただくといった工夫が有効といえます。一人ひとりの適性や体調に合わせて業務を切り出すことで、誰もが無理なく参加できる体制を構築できるでしょう。利用者が自分の得意な分野で役割を担うことは、自己肯定感の向上と継続的な通所意欲につながる重要なプロセスとなります。

栽培・収穫・加工・出荷における役割分担

実際の事業所では、農作物が消費者の元に届くまでのさまざまな工程をチームで分担して進めています。畑での草むしりや水やりといった基礎的な栽培管理をはじめ、収穫時期には作物を傷つけないように丁寧に摘み取る作業が行われます。収穫後には、野菜の泥を落としてサイズごとに選別し、パッケージに詰める加工や出荷準備といった室内作業も発生するため、屋外での活動が苦手な方でも携わることが可能です。このように一連のプロセスの中で多様な役割を経験できる体制を整えることにより、日々異なるやりがいを見つけながら作業に取り組める環境となるでしょう。

安定した施設運営とリスク管理のポイント

天候や季節変動に左右されない運営体制づくり

屋外での作業が中心となる農業において、雨天や台風、猛暑といった天候不良は事業運営上のリスク要因となります。天候に恵まれない日や農閑期であっても利用者が作業に取り組めるよう、室内で完結する業務をあらかじめ用意しておくことが安定運営には不可欠です。具体的には、ハーブなどの屋内水耕栽培を導入したり、外部企業から簡単な内職作業を請け負ったりするなどのリスクヘッジが考えられます。年間を通じて作業量が落ち込まない体制を計画的に構築しておくことは、利用者が継続して活動できる環境づくりや、安定した事業運営につながります。

地域農家・自治体との連携および販路開拓

事業所単独で農業に関するすべての課題を解決するのは難しいため、地域の専門家である農家や行政と密に連携する姿勢が求められます。地元の農家から栽培のノウハウを教わったり、逆に農家の収穫作業を請け負う形で利用者の作業機会を創出したりといった協力関係を築くことが有効な手段です。あわせて、道の駅や地元のスーパー、飲食店などをターゲットとした販路開拓を進めることで、生産した作物を無駄なく現金化するルートを確立できるでしょう。地域に根ざしたネットワークを構築することは、安定した売上の確保のみならず、利用者が社会とつながる実感を得るための大きな手助けとなります。

農業×就労継続支援B型の事例紹介

栽培から販売まで一貫した取り組み

福井県あわら市のNPO法人ピアファームは、農業に特化した就労継続支援B型事業所です。ナシやブドウ、野菜などの栽培に加え、スーパーや直売所での販売、自社直売所の運営まで一貫して手掛けることで、収益性の向上を実現しています。売上目標を踏まえた栽培計画や販売戦略を重視し、利用者の平均工賃向上にもつなげている点が特徴です。また、耕作放棄地の再生や地域農業の担い手不足の解消にも貢献しており、利用者の働く場づくりと地域活性化を両立する取り組みを展開しています。

※参照元:国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園 」pdf(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000527668.pdf

まとめ

農業を活用した就労継続支援B型は、土や自然に触れる環境が利用者の心身への良い影響をもたらす可能性があり、地域の農業人手不足解消にも貢献できるビジネスモデルです。天候や季節による変動リスクへの対策や作業の細分化を行うことで、継続した活動環境の提供と工賃向上の好循環を生み出せる傾向にあります。自社の強みや地域のニーズを見極め、持続可能な事業運営を目指しましょう。

支援の仕方
収益の仕組みで選ぶ
就労継続支援B型
フランチャイズ3選

許認可申請から行政対応、採用、物件探しまで一任できるのがフランチャイズの利点です。以下に挙げる3社は、対象とする利用者や作業内容、収益モデルが大きく異なります
「誰をどう支えるか」「どこで利益を生むか」という視点で整理しました。

支援の
仕方

犬猫の殺処分ゼロ活動と
自立支援を両立

収益の
仕組み

独自売上×高工賃
給付金アップ

アネラカフェ
ANELLA CAFE
(株式会社ANELLA Group)
ANELLA Group 公式サイト
画像引用元:ANELLA Group 公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/OEMWHv81/)
事業所の特徴

殺処分ゼロを目指す保護活動と、障がい者の自立支援を融合。行き場を失った犬猫たちの新しい家族を探す拠点として、日々のお世話や施設運営を、就労訓練として行います。

FCの特徴
  • 犬猫とのふれあいによるアニマルセラピー効果で心身が安定。欠席が減りベースの給付金が安定します。
  • SNSフォロワー26万人超の集客力で、入場料等の売上が安定。高工賃が還元でき、給付費も増加します。
支援の
仕方

ITスキルで
一般就労を目指す

収益の
仕組み

就労移行の加算で
高単価を狙う

キャリカク
(株式会社キャリカク)
キャリカク公式サイト
画像引用元:キャリカク公式サイト
(https://kyarikaku.jp/kyarikaku-fc/)
事業所の特徴

データ入力や動画編集、デザインなど、パソコンでのIT業務特化。オフィスのような環境で実践的なスキルを身につけ、一般事務職など企業への就職を目指す事業所です。

FCの特徴
  • 利用者を一般就労へ導くことで実績が評価され、就労移行の加算で給付費単価アップを目指せます。
  • 利用者が在宅希望でも対応が可能で、通所のハードルを下げることで欠席率低下を目指せます。
支援の
仕方

重度の方への
セーフティネットを築く

収益の
仕組み

広い間口×低コスト
利益率を確保

夢尊ワークス
(株式会社夢尊ワークス)
夢尊ワークス公式サイト
画像引用元:夢尊ワークス公式サイト
(https://musonworks.co.jp/fclp/)
事業所の特徴

箱詰めやシール貼りなど、誰もが取り組める軽作業に特化。プレッシャーや複雑な作業を排除し、まずは規則正しい生活リズムを整えることを優先とした、ハードルの低い事業所です。

FCの特徴
  • スキルが無くとも無理なくできる軽作業のため、利用者のパイが大きく、集客の間口を広く持てます。
  • 専門設備や人材が不要なことから、損益分岐点が低く、給付金の多くを利益として残せます。

※参照元:ANELLA CAFE Instagram(全114店舗での合計フォロワー数)2026年5月25日時点