就労継続支援B型 フランチャイズガイド【ささえみ】
就労継続支援B型 フランチャイズガイド【ささえみ】 » 就労継続支援B型を開業するには?

就労継続支援B型を開業するには?

目次
全て表示

安定した収益基盤と高い社会貢献性により、異業種からの新規参入が相次いでいる就労継続支援B型。本ページでは、オーナー視点でA型・B型の違いを整理しつつ、必須となる「4つの指定基準」や開業までのプロセス、資金計画の考え方まで詳しく解説します。

就労継続支援B型とは?

雇用契約を結ばず、就労の機会
を提供する障がい福祉サービス

就労継続支援B型は、障がいや難病などの理由で一般企業での雇用契約や就労が困難な方に対し、雇用契約なしで働く場所や訓練の機会を提供する福祉サービスです。

事業所の収益は、利用者がサービスを利用した日数や工賃実績に応じて国から支払われる「訓練等給付費」が中心。そのため、「利用者がいかに安定して通所できるか(稼働率)」と「工賃向上による給付費単価のアップ」が、安定運営の鍵を握ります。

オーナー視点で見る
就労継続支援A型とB型の違い

就労継続支援にはA型とB型の2種類がありますが、オーナー(経営者・投資家)視点で見ると、そのビジネスモデルには複数の違いが存在します。以下の表で比較してみましょう。

比較項目 就労継続支援B型 就労継続支援A型
人件費 工賃の支払い(最低賃金適用外。生産活動から還元) 最低賃金以上の支払い義務(労働基準法適用)
収益の構造 給付費が主体(+生産活動の売上) 生産活動(自社事業)の利益 + 給付費
仕事確保の難易度 低い〜中程度(軽作業からIT等の高単価案件まで幅が広い) 高い(最低賃金を補填できる高い利益率が必須)
利用者獲得(集客) 体調に波がある方も対象。「居心地」や「通いやすさ」が重視される 就労意欲の高い層。給与や仕事内容での競合比較が激しい
経営の重要KPI 利用者の通所率(稼働率)の安定 生産活動(自社事業)の利益率
参入障壁 低い(福祉運営の定石に沿えば、堅実な運営が可能) 高い(強力な事業ノウハウがないと赤字化リスク大)

まとめると、A型は「最低賃金を支払える事業ノウハウ」が必須で、本業の収益力がそのまま経営を左右します。一方B型は給付費を主軸とする福祉ビジネスとしての色合いが強く、利用者の通所率を安定させる運営力が勝ち筋。事業ノウハウより福祉運営の定石を押さえる重要度が高く、未経験オーナーでも参入しやすい構造です。

就労継続支援B型を
開業するには?

行政から「指定(認可)」を受けるためには、以下の4つの指定基準をすべて満たす必要があります。

  1. 法人格の取得基準:個人事業主としての開業は不可。株式会社、合同会社、NPO法人などの法人格取得が必要です。
  2. 人員基準:管理者、サービス管理責任者(サビ管)、生活支援員、職業指導員など、規定の資格や実務経験を持つ人材の配置が義務付けられています。
  3. 設備基準:訓練室(作業室)、相談室、多目的室、トイレなど、基準を満たす広さや設備を確保しなければなりません。
  4. 運営基準:定員数(原則20名以上)※の設定、工賃の支払いルール、虐待防止委員会の設置など、適切な運営体制の整備が求められます。

要件漏れを防ぐため、物件契約前には必ず管轄行政との「事前協議」を行いましょう。

※参照元:障がい福祉事業サポートセンター(https://info-wpp-sh.biz/working-b/)※定員の最低基準は自治体により異なります

開業までの流れ

開業までには、最短でも半年から1年程度の準備期間を見込んでおくのが現実的です。

  1. 法人設立・計画策定:事業コンセプトの決定と、精度の高い収支計画を立案します。
  2. 物件選定・事前協議:契約前に、管轄行政にて物件が設備基準に適合するかを確認します。
  3. 人員確保:最大の難関である「サビ管」の採用を最優先で進めます。
  4. 指定申請:開業予定日の約2ヶ月前を目安に、完成した申請書類を提出します。
  5. 利用者募集・開所:地域の相談支援事業所などへ営業を行い、稼働率の早期安定を目指します。

独立かフランチャイズか:
参入スタイルの選択

開業にあたっては、すべて自前で行う「独立開業」か、既存の仕組みを活用する「フランチャイズ(FC)加盟」かを選択する必要があります。

独立開業の
メリット・デメリット

ロイヤリティが発生せず、オーナーの理想を反映した自由な運営が可能です。半面、サビ管採用のノウハウ不足や、煩雑な行政手続き、集客営業の手探り状態など、立ち上げ時のリスクや負担は大きくなります。

フランチャイズ加盟の
メリット・デメリット

物件選定、採用支援、運営マニュアルといったパッケージ化されたノウハウを利用できるため、未経験からでも迅速かつ確実な立ち上げが期待できます。加盟金や継続的なロイヤリティ、本部ルールによる制約が主なデメリットです。

「支援のカタチ」と
「収益の仕組み」で選ぶFC3選

数あるB型フランチャイズの中から、自社に合う本部をどう見極めるか。鍵は「支援のカタチ」と「収益の仕組み」の2軸です。

就労継続支援B型の給付費は、利用者の通所日数と工賃の実績で決まります。誰に来てもらいやすい事業所をつくるか(支援のカタチ)と、どう工賃を高めるか(収益の仕組み)の設計次第で、収益は大きく変わります。本部によってこの戦略はまったく異なるため、2軸を合わせて見比べることが選定のコツです。

当メディアでは、その仕組みが大きく異なる3社を比較しています。自社が目指す福祉のカタチに合うFCを見つける参考にしてください。

資金計画と収益の考え方

事業を軌道に乗せるためには、キャッシュフローのシミュレーションが不可欠です。

初期費用と運転資金の目安

  • 初期費用:物件取得費、内装・設備工事費、法人設立費などを含め、1,000万円程度が一つの目安となります。
  • 運転資金:福祉事業の給付費は、サービス提供の「約2ヶ月後」に入金される仕組みです。開業当初はキャッシュアウトが先行するため、最低でも半年分の運転資金は確保しておきましょう。

助成金の活用

就労継続支援B型の開業をする際には「人材確保等支援助成金」や「キャリアアップ助成金」など、初期の負担を軽減できる公的な支援制度の活用も視野に入れましょう。受給できる助成金の種類や金額を事前に把握しておくことで、資金計画の精度が大きく高まります。

就労継続支援B型事業で
直面しやすい課題と対策

安定経営が期待できるストックビジネスであっても、以下の要因で撤退を余儀なくされる事業所も存在します。

  • 利用者確保の難航:稼働率が上がらず、固定費が収益を上回ってしまう。
  • 人材の流出:サビ管の退職により人員基準を割る「減算ペナルティ」が発生。
  • 生産活動の停滞:適切な仕事を提供できず、利用者の満足度が低下する。
  • コンプライアンスの欠如:記録不備や運営ミスによる指定取り消し。

こうした事態を避けるには、事前の差別化戦略や、スタッフが定着しやすい組織づくりが欠かせません。具体的な対策については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

支援の仕方
収益の仕組みで選ぶ
就労継続支援B型
フランチャイズ3選

許認可申請から行政対応、採用、物件探しまで一任できるのがフランチャイズの利点です。以下に挙げる3社は、対象とする利用者や作業内容、収益モデルが大きく異なります
誰をどう支えるか」「どこで利益を生むか」という視点で整理しました。

支援の
仕方

犬猫の殺処分ゼロ活動と
自立支援を両立

収益の
仕組み

独自売上×高工賃
給付金アップ

アネラカフェ
ANELLA CAFE
(株式会社ANELLA Group)
ANELLA Group 公式サイト
画像引用元:ANELLA Group 公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/OEMWHv81/)
事業所の特徴

殺処分ゼロを目指す保護活動と、障がい者の自立支援を融合。行き場を失った犬猫たちの新しい家族を探す拠点として、日々のお世話や施設運営を、就労訓練として行います。

FCの特徴
  • 犬猫とのふれあいによるアニマルセラピー効果で心身が安定。欠席が減りベースの給付金が安定します。
  • SNSフォロワー26万人超の集客力で、入場料等の売上が安定。高工賃が還元でき、給付費も増加します。
支援の
仕方

ITスキルで
一般就労を目指す

収益の
仕組み

就労移行の加算で
高単価を狙う

キャリカク
(株式会社キャリカク)
キャリカク公式サイト
画像引用元:キャリカク公式サイト
(https://kyarikaku.jp/kyarikaku-fc/)
事業所の特徴

データ入力や動画編集、デザインなど、パソコンでのIT業務特化。オフィスのような環境で実践的なスキルを身につけ、一般事務職など企業への就職を目指す事業所です。

FCの特徴
  • 利用者を一般就労へ導くことで実績が評価され、就労移行の加算で給付費単価アップを目指せます。
  • 利用者が在宅希望でも対応が可能で、通所のハードルを下げることで欠席率低下を目指せます。
支援の
仕方

重度の方への
セーフティネットを築く

収益の
仕組み

広い間口×低コスト
利益率を確保

夢尊ワークス
(株式会社夢尊ワークス)
夢尊ワークス公式サイト
画像引用元:夢尊ワークス公式サイト
(https://musonworks.co.jp/fclp/)
事業所の特徴

箱詰めやシール貼りなど、誰もが取り組める軽作業に特化。プレッシャーや複雑な作業を排除し、まずは規則正しい生活リズムを整えることを優先とした、ハードルの低い事業所です。

FCの特徴
  • スキルが無くとも無理なくできる軽作業のため、利用者のパイが大きく、集客の間口を広く持てます。
  • 専門設備や人材が不要なことから、損益分岐点が低く、給付金の多くを利益として残せます。

※参照元:ANELLA CAFE Instagram(全85店舗での合計フォロワー数)2026年3月12日時点