就労継続支援B型でゲーム・eスポーツ事業への多角化を検討する事業者に向けて、収益構造・作業内容・必要な設備・運営上の注意点を公的情報と実例をもとに整理します。自地域・自法人で成立しそうか判断する材料としてご活用ください。
就労継続支援B型のゲーム・eスポーツ事業における主な収益源は、「訓練等給付費」と「eスポーツ関連事業の売上」です。
訓練等給付費は、利用者の利用実績や事業所の報酬区分、各種加算などに応じて公費から支給される収益を指します。そこに大会運営・動画配信・グッズ販売などのeスポーツ関連事業収益を組み合わせ、複数の収益源を確保するのが基本的な考え方です。
就労継続支援B型では、生産活動などを通じて就労に必要な知識や能力の向上・維持を図ります。そのため、ゲームプレイをそのまま訓練とみなすのではなく、就労訓練として説明できる工程を組み込むことが重要です。たとえば、大会の運営業務や動画配信の制作、グッズ製作などが考えられます。
ゲーム・eスポーツ事業は、「ゲームをきっかけに通所したい」という若年層などのニーズに応えやすい点が特徴です。特に、外出や対人関係に不安がある利用者にとって、興味のあるゲームを入口に通所や他者との交流につなげられる可能性があります。
一方、高性能なゲーミングPCやモニター、ネットワーク環境などの設備投資が必要です。また、ゲームを「遊び」だけで終わらせず、就労訓練として説明できる作業工程を設計することも重要になります。
参考までに、あるFC事業者が公開している就労継続支援B型事業所(eスポーツ事業・定員20名想定)の年間収益モデルを紹介します。
| 売上 | 3,492万円/年 |
|---|---|
| 経費 | 1,908万円/年 |
| ロイヤリティ | 349万円/年 |
| 利益 | 1,235万円/年 |
上記はあくまでも特定の条件に基づく収益モデルの参考値であり、eスポーツ事業全体の平均的な売上・利益ではありません。実際の収益は、利用者の稼働率や定員、地域、報酬区分・加算の取得状況などによって変動します。
また、ゲーミングPC・モニター・ゲーミングチェア・高速インターネット環境などの設備投資や、機器の更新費用も必要になります。開業前に初期費用とランニングコストを見積もり、設備投資を含めても継続的に収益を確保できるかを検討しましょう。
ゲーム・eスポーツ事業に特化した参考例として、ある就労継続支援B型事業所(eスポーツ事業)が公開している月間工賃のシミュレーションを紹介します。
| 工賃400円の場合 | 400円×4時間(1日の労働時間)×22日(1か月の通所日数)= 月35,200円~ |
|---|---|
| 工賃200円の場合 | 200円×4時間(1日の労働時間)×22日(1か月の通所日数)= 月17,600円~ |
上記は、特定の事業者が公開している工賃シミュレーションであり、実際の工賃は事業所の生産活動による収益や利用者の通所日数、作業時間などによって異なります。同じeスポーツ事業だからといって、一定の工賃になるわけではありません。利用者数や通所日数、大会運営・配信などの生産活動による売上、設備費・人件費などの経費を踏まえ、継続的に工賃を支払える収益構造をつくることが重要です。
利用者が担う作業としては、ランク戦や対戦データをもとにした戦略検討、スコア記録、プロコーチによる指導、大会に向けたチームマネジメントなどがあります。目標に向けて競技力を磨く過程を、仕事への取り組み方の学びにつなげやすい点が特徴です。
選手活動だけでなく、音響・映像・配信機材の操作や会場設営、ゲーム実況・解説を通じた発声・表現力のトレーニングなど、裏方として参加できる仕事もあります。利用者の得意分野や特性に応じて工程を分担できるため、一人ひとりに合った役割を設定しやすい業態です。
作業を「プレイヤー」「大会運営」「配信」「実況・解説」「グッズ製作」などに細分化できます。利用者の得意分野や特性、習熟度に応じて工程を分担することで、競技が得意な人だけでなく、裏方や制作が得意な人も参加しやすくなります。
ゲーム・eスポーツ事業では、扱うゲームや活動内容に応じて、高性能なゲーミングPC、高リフレッシュレートのモニター、ゲーミングチェア、ヘッドセットなどを用意します。また、オンライン対戦や動画配信を安定して行うため、光回線などの高速・安定したインターネット環境も重要です。必要なスペックや機器構成は事業所によって異なるため、導入するゲームや提供コースを決めたうえで設備を選定しましょう。
就労継続支援B型でeスポーツを取り入れる際は、ゲームプレイだけを活動の中心にするのではなく、就労につながる具体的な工程を設計することが重要です。たとえば、大会の企画・運営、動画の撮影・編集、ライブ配信、実況・解説、グッズ製作などを組み合わせます。実際の活動が生産活動に該当するかは、事業内容や指定権者の判断にも関わるため、開設前に自治体へ確認しましょう。
長時間のゲームプレイは、眼精疲労や肩・腰への負担などにつながる可能性があるほか、ゲームへの過度な没入にも注意が必要です。活動時間と休憩時間をあらかじめ設定し、定期的に休憩を取るルールを設けましょう。また、利用時間や活動内容を記録し、利用者の体調や生活リズムを確認しながら、必要に応じてゲーム以外の作業も組み合わせることが重要です。
ゲームの知識や競技経験を持つスタッフを配置すると、技術指導や大会運営などを進めやすくなります。ただし、ゲームのスキルだけでなく、利用者の特性や支援目標を踏まえて指導できる体制が重要です。利用者のスキルレベルに応じて段階的に取り組めるカリキュラムを整えましょう。
ONEGAMEでは、就労継続支援B型にeスポーツを取り入れ、競技練習だけでなく、大会運営や配信スタッフなどの仕事にも取り組める仕組みを展開しています。プロコーチによる指導のもと、「選手」「イベント」「実況MC」の3コースを設け、それぞれの適性に応じた役割分担を行っている点が特徴です。新宿・秋葉原・名古屋・高槻・札幌など、全国各地に拠点を展開しています。
ゲーム・eスポーツ事業は、「ゲームが好き」という興味を通所や仕事へのきっかけにつなげやすい点が特徴です。一方で、ゲーミングPCなどの設備投資に加え、ゲームプレイを大会運営・配信・制作などの就労につながる活動へ広げる運営設計が求められます。参入を検討する際は、自社の地域・利用者層・人員体制・設備投資を踏まえて、継続的に運営できるかを確認しましょう。
ゲーム・eスポーツ事業としての運営イメージが固まったら、次はFC本部から受けられる支援内容や収益の仕組み、開業までのサポート体制を比較することが重要です。以下の記事では、支援の仕方と収益の仕組みという観点から、おすすめの就労継続支援B型フランチャイズを整理しています。FC選びの比較材料としてご活用ください。
許認可申請から行政対応、採用、物件探しまで一任できるのがフランチャイズの利点です。以下に挙げる3社は、対象とする利用者や作業内容、収益モデルが大きく異なります。
「誰をどう支えるか」「どこで利益を生むか」という視点で整理しました。
犬猫の殺処分ゼロ活動と
自立支援を両立
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殺処分ゼロを目指す保護活動と、障がい者の自立支援を融合。行き場を失った犬猫たちの新しい家族を探す拠点として、日々のお世話や施設運営を、就労訓練として行います。
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データ入力や動画編集、デザインなど、パソコンでのIT業務特化。オフィスのような環境で実践的なスキルを身につけ、一般事務職など企業への就職を目指す事業所です。
※参照元:ANELLA CAFE Instagram(https://www.instagram.com/dogrescue_anella/?utm_source=ig_web_button_share_sheet)(全114店舗での合計フォロワー数)2026年5月25日時点